電車の車輪で、常にレールと接しているタイヤ部分は、固い金属同士とはいえ走行距離を重ねると摩耗していきます。また、雨などが降ると車輪とレールの間に水が入って滑りやすくなり、ブレーキを掛けたときに車輪が一時的にでもロックしてしまうと、一部分が集中して摩耗し、真円であるタイヤに「フラット」という平らな部分ができる現象が起こります。この「フラット」ができると、走行中の振動や騒音が発生し、乗り心地が悪くなってしまいます。
そこで、「車輪転削盤」の登場です。自然摩耗やフラットなどで傷んでしまったタイヤを、カッターチップと呼ばれる無数の刃で数mm単位の薄さで削っていき、元通りの傷のない真円の状態に戻してやる機械で、電車の乗り心地を維持するために日々活躍しています。阪急電鉄の車庫に設置している「車輪転削盤」は、タイヤを電車から外さずに削れるようになっており、1日にだいたい2両〜3両分のタイヤを削ることができます。
「車輪転削盤」は他の鉄道会社でも使われている一般的な機械ですが、導入する際には操作性などについていろいろな提案をして、より使いやすく阪急独自のカスタマイズをしています。ちなみに、1954年〜1987年(昭和29年〜62年)に正雀車庫で活躍していた「車輪転削盤」は国産第1号機でした。
安全かつ高速な大量輸送が可能で、最も経済的な交通手段である鉄道には、快適にご利用いただくため、車両の性能を最高レベルで機能させる高度な技術力が求められています。阪急電鉄株式会社の車両保守部門から分離独立したメンテナンスカンパニー「グローバルテック」は、車両全般の検査や修繕など、鉄道車両技術に関する幅広いフィールドで事業展開をしており、経験と技術力を大いに発揮して、お客様に「安全で快適な車両」を提供し続けていくとともに、環境に配慮した地球環境にやさしい工場を目指しています。また、工場見学やミニ阪急電車の運行など、地域の方々に親しまれるサービスも提供しています。