電車は、空中に張られている電線(架線)に、電車の屋根に付いたパンタグラフを接触させて電気を取り込み、モーターを動かしたり、照明を点けたりしています。架線・パンタグラフともに金属で、擦れ合うことで架線は日々摩滅していきます。また、気温の変化などで伸び縮みもします。そういった架線の日々の変化を細かく検査・測定して、保守管理に役立てているのが「架線検測車」です。
「架線検測車」は終電後に線路を走行して、架線の摩耗状態やレール面上からの高さ、レール中心からの振れを検測し、データをコンピュータに蓄積していきます。そして検測データを元に、架線の交換・調整といった保守計画を立案し、鉄道の安全・正確な運行を支えています。
トラックのような外観をしているのは、軌陸仕様といって、線路・道路の両方を走ることのできる特殊な構造を持っているからで、作業現場への移動に道路も使用できるなど機動性に富んでいます。
グループでは、阪急電鉄・阪神電気鉄道などグループの鉄道電気設備の保守管理を行っている「阪急阪神電気システム」が「架線検測車」を保有しており、阪急電鉄、阪神電気鉄道、神戸電鉄、能勢電鉄など、様々な路線で検測作業を行っています。以前は個々に保有していた「架線検測車」を「阪急阪神電気システム」が保有することで、高い稼働率を実現し、高価な機材の運用効率化も図っています。
ともに100年以上の歴史を持つ阪急電鉄と阪神電気鉄道が、永年培ってきた鉄道電気設備保守および設計・施工に関する確かな知識と技術、そして安全に関する豊富な経験を継承し、鉄道事業者の安全かつ円滑な事業運営を確実にサポートしています。