ゆめ・まち隊の突撃レポート

能勢電鉄
「のせでん こども自然体験学習」
第22回は8月19日・20日に小学生を対象に妙見山で行われた「のせでん こども自然体験学習」の様子をご紹介します。
(本ページの内容は、2010年12月時点のものです)

心も体も妙見山の自然でいっぱいになろう
妙見山のある兵庫県川西市黒川地区は、歴史や文化性、景観、生物多様性から「日本一の里山」と言われ、現在でも炭焼きが行われるなど人と自然が共生する貴重な場所。この豊かな自然に触れながら、こども達に夏休みの思い出をつくってもらおうと今年8月19日・20日に「のせでん こども自然体験学習」が初めて開催されました。
能勢電鉄の妙見口駅を出発し、吉川八幡神社の周辺散策、その後妙見山にケーブル・リフトで登ります。ブナ林を観察し、飯ごう炊さんでお昼ごはんを食べた後は、マムシの見分け方などちょっとした豆知識も紹介しました。
進行役を務めた能勢電鉄の信田さんは「もともと能勢電鉄では、8年ほど前からハイカーを対象とした里山ハイキングの実施、最近では地域の小学校に向けた里山体験学習を行っています。今回は夏休みの期間ということもあり、地域のこども達に妙見山の自然に触れてもらおうと、初めて企画しました」と話します。能勢電鉄では、こうしたプログラムを充実させるため、兵庫県阪神北県民局が実施する北摂里山検定を従業員が受検し、妙見山への知識を深めていると言います。信田さんは、この検定においてなんと特級の資格を取得。当日も豊かな知識で、こども達に里山の魅力を話していました。
能勢電鉄「のせでん こども自然体験学習」 画像
能勢電鉄 信田さん

妙見山に来なければ体験できないことがある
「自然には3段階あるんです。まずは、人が全く入らない、原生林のままの一次自然。次に、野菜を植えたり、人が少し手を加えて人が入りやすいようになっている二次自然。最後に人工林である三次自然。この黒川(妙見山)の里山は二次自然であり、人々と自然の共生の様子が見られる場所です。ブナ林やクヌギ林をはじめとする自然がしっかりと残されているため、生物の多様性が保たれているんです。また、日本の西南部においては、普通ブナ林は標高1000m以上の山に生えるのですが、妙見山の標高は約660mと、比較的低いほう。標高600m程の場所に生えているこの妙見山のブナ林は、貴重な場所でもあるんです。
ただ、こうした知識を“言葉”で、こども達に伝えるのはなかなか難しいですね。どうすればわかりやすく伝えられるか、これは今後の課題になってきます。しかしそれよりも、まずは妙見山に来ていただき、色々なものを見て、触れて、感じることの方がこども達には大切なのかもしれません。虫を捕まえたり、自然の中でご飯を食べたりして、自然は楽しいな、面白いなと感じることが、なによりこども達の感性を育ててくれるのではないかと思います」と信田さんは語ってくれました。
炭焼き窯の跡を案内する信田さん
能勢電鉄「のせでん こども自然体験学習」 画像

安全なこと、危険なことも見極めて楽しく自然体験を
「小学生を対象とした自然体験学習を開くにあたって、気を遣ったのは安全面です」と話すのは能勢電鉄の奥森さん。「妙見山の頂上は、地上より気温が3度ほど低いとはいえ、今年は暑さも厳しいですし、熱中症の対策をしっかりと呼びかけました。また、こども達を安全に見守るため、親子30人の定員に対して8人のスタッフを配置しています。自然の素晴らしさだけでなく、自然を安全に楽しむ方法についても、こども達に伝えていきたいですね」。お昼ご飯の後、こどもたちに見せたのは3週間前にスタッフ自ら妙見山で捕まえたというマムシ。焼酎に漬かったマムシをこども達に見せながら、危険な生き物を見かけたら無暗に触らないことや、マムシの見分け方、噛まれたり、ハチに刺されたりした場合の対処の仕方なども伝えていました。
今回の開催をきっかけに、11月7日にも秋の自然体験学習が行われます。能勢電鉄では、今後もさまざまな自然体験プログラムを行っていく予定です。さらに、地元の人々やNPO法人の川西里山クラブなどと連携して、多くの人々に妙見山の魅力を伝えるイベントも検討しています。「皆さんも、ぜひ“日本一の里山・妙見山”に遊びに来てください。大阪の近くにこんなにも自然豊かな場所があること、そして人と自然が寄り添って暮らしている様子を見ていただきたいです」と、真夏の鮮やかな緑を背に話す信田さんと奥森さんから、妙見山を愛する能勢電鉄の想いが伝わってきました。
能勢電鉄の奥森さん
能勢電鉄「のせでん こども自然体験学習」 画像

行ってきました!社会貢献担当の当日レポート 能勢電鉄「のせでん こども自然体験学習」

能勢電鉄「のせでん こども自然体験学習」 画像8月19日、「のせでん こども自然体験学習」の集合場所、能勢電鉄妙見口駅に降り立つと、午前9時だというのにすでに太陽はカンカン照り。今年は猛暑の夏休みでしたが、こども達は元気いっぱいです。

妙見山まで上るケーブルの駅までの道中は、小川や田んぼ、鎮守の森の茂る神社など、自然いっぱいの風景が広がっています。こども達は小川にいる沢ガニや魚、道端を走る小さなトカゲや昆虫などに夢中になってキョロキョロ。

普段、街中では見ることのできない生き物が、すぐそばに生きている。こども達にとって里山はまさに宝の山なんですね。

能勢電鉄「のせでん こども自然体験学習」 画像黒川駅からケーブルカーでいよいよ妙見山に登ります。急な勾配の斜面をレールが走っているのを見て、こども達はまた大興奮!!「ジェットコースターみたいや!」「すごい登るんやな~」と嬉しそうにケーブルカーに乗り込みます。
妙見山上では、大阪府の天然記念物のブナ林を見学。さらにお昼ご飯には自分たちで飯ごうを使ってご飯を炊き、カレーを食べてお腹もいっぱい。

この日参加されたご家族連れの中には、年に3~4回妙見山に登っているという地元の方もいらっしゃいました。お母さんにお話を聞いてみると、「能勢電鉄の方が丁寧にガイドをしてくれたおかげで、今まで知らなかった場所や、貴重な動植物のことが分かってよかった」とお話ししてくれました。その間にも、こども達は木立の中で走り回っています。

能勢電鉄「のせでん こども自然体験学習」 画像小さな生き物や木の実を手に乗せて、目を輝かせるこども達。「今日は来てよかった!」と、話してくれた男の子の手には、キラキラ光る玉虫が握られていました。妙見山の緑の中で走り回ったこの日、こども達は里山の生態系や自然との共生の意味を、そして自然の楽しさと大切さを体いっぱいで知ることができたのかもしれませんね。





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