仙台空港から電車で30分ほどの宮城県岩沼市。
今回訪れた玉浦西地区では、集団移転の住宅建設が進んでいます。周囲に残る、整備中の掘り起こされた地面や、津波を受けまばらに残った松林などの風景が震災の爪痕(あと)を感じさせます。
実際に被災地を見ていない私たちは、順調に復興が進んでいるように考えがちですが、以前と変わらない生活を取り戻すためには、まだ時間と支援が必要なことが感じられます。
今回寄贈された桜は玉浦西地区の道路沿いに約12m間隔で、750mにわたって植樹されていました。将来この地で、大山桜のピンクの花が満開になれば、さぞ美しい並木道になるのではと思いました。
その後は、震災復興の記念公園であり、また津波の猛威から街を守る緑の堤防として建設が進む「千年希望の丘」へ。公園内には、震災前の道路が残されていたり、震災前の街並を描いたパネルなどが設置され、ここに戻ってきた人々が、かつての生活を思い出せるようになっています。
取材を行ったのは12月、厳しい冬が迫ってくる季節でした。それでも着実に復興は進み、桜の苗木は整然と並んで春を待っています。春になったら、咲きそろう桜に集う、笑顔の人々に会いたいと思える取材となりました。
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