ゆめ・まち隊の突撃レポート

ホテル阪急インターナショナル
「こどものためのオーケストラコンサート」
第7回はこども達の豊かな情操の育成を図るため、こどもも参加できるクラシックオーケストラの
コンサートを開催しているホテル阪急インターナショナルを取材しました。
(本ページの内容は、2009年7月時点のものです)

本物の楽器が奏でる、本当の音楽をこども達に感じてほしい
「本物のフルオーケストラの音楽、目の前で演奏される楽器の音を、小さなお子さんにも体験してほしい」。そんな思いから生まれたのが、ホテル阪急インターナショナルの「こどものためのオーケストラコンサート」です。
ホテルの宴会場を使用した、こどもも参加できるオーケストラコンサートというユニークなこの取り組みの始まりについて、企画担当の榊原さんに話を聞きました。
「2009年3月にオープンした『キッザニア甲子園』へ「ホテル」パビリオンの出展が決まった頃から、実際のホテルでも未来を担うこども達の豊かな感性を育てる社会貢献活動を行えないか考えていました。ちょうどその時、ご宿泊などでよくホテルをご利用いただいている兵庫芸術文化センター管弦楽団の方とお会いする機会があり、当ホテルの取り組みをお話ししたところ、共感いただいたことから今回の企画が実現しました」。
当初25名の編成で予定していたオーケストラに、当日はなんと58名もの団員が駆けつけてくれたことからも兵庫芸術文化センター管弦楽団の共感の深さ、ホテル側の思いの強さが伝わってきます。
ホテル阪急金田―ナショナル 榊原さん

「音に耳を澄ます」ということの大切さ
「一般的なオーケストラコンサートではこどもは入場できないことが多いのです。しかし、音楽に親しみ豊かな心を育てるのであれば、早い段階から楽器が奏でる本物の音に親しむことが大切ではないでしょうか」と話す榊原さん。
また、今回オーケストラの指揮を担当し、NHK交響楽団、ハンガリー国立交響楽団など数多くのオーケストラでの指揮経験を持つ岩村力さんは、こどもにとっての音楽について、こう語ってくれました。
「都会のこども達の周りにはテレビの音や街の音など、常に音があふれています。そのためこども達は『音に耳を澄ます』経験を忘れてしまっています。興味を持つこと、細かな違いに注意して大切なものを選び出すこと、耳を澄ますということにはさまざまな意味があるのではないでしょうか。オーケストラには、いろいろな楽器があり、それぞれ音色も響きも全く違う。間近で見て、耳を澄まして、生の音響や音圧の素晴らしさを体感してほしいですね」。
指揮者 岩村力さん

間近で見るオーケストラにこども達は・・・
この日コンサートに集まっていただいたお客様は約700名。
当初は350名ほどのご参加を想定していたところに、800名を超える応募があり、急きょ席数を倍に増やしました。そのため、オーケストラと最前列のこどもとの距離はわずか数十センチ。ステージと客席が分かれた音楽ホールなどでは体験できない一体感のある貴重な空間となりました。
プログラムは、「となりのトトロ」といった、こども達になじみの深い曲から、ロッシーニの「ウィリアムテル」やチャイコフスキーの「くるみ割り人形」など、オーケストラならではの名曲の数々も。そして、演奏だけでなくオーケストラの楽器をひとつひとつ紹介するコーナーや、こども達が実際にタクトを振るう指揮体験コーナーも設けられ、指揮者兼MCの岩村さんによる軽快でコミカルなトークのもと、あっという間に時間が過ぎていきました。
そんな、静粛なオーケストラコンサートとはまた違う和やかな雰囲気にこども達も大喜びで、一緒に歌いだしたり、踊りだす子もたくさん。最後は会場のみんなで「エーデルワイス」を合唱してコンサートは終了しました。
聴いたばかりの歌を口ずさみながら元気よく会場を出るこども達を眺める榊原さん。「これからも、こどものためのオーケストラコンサートを続けていきたいですね」と感慨深げに語っていました。
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行ってきました!社会貢献担当の当日レポート ホテル阪急インターナショナル「こどものためのオーケストラコンサート」

世の中もうきうきとした雰囲気につつまれる5月のゴールデンウィーク。その最中に梅田・茶屋町のホテル阪急インターナショナルで開催された「こどものためのオーケストラコンサート」。
冒頭で指揮者の岩村さんが「皆さんの中には、曲に合わせて自然に体が動いてしまう人もいるかもしれません。それでいいのです。コンサートだからといって、遠慮しなくていいんですよ」と言われた瞬間、会場の空気がふっと緩やかになるのを感じました。このコンサートの特徴を一言で表した瞬間だと、今でも頭の中に残っています。

オーケストラコンサートということで、こども達の中にはドレスや蝶ネクタイでおめかししている子もちらほら。演奏が始まっても最初はちょっぴり緊張している様子が見られました。しかしその緊張もつかの間。顔が見えるほど近くで演奏された今回のコンサートでは、そのダイナミックな音とリズムに、こども達もじっとしていられなかったようで、みんな次第に体を揺らしたり、楽器のデモンストレーションで知っている曲が奏でられると、一緒に歌うようになってきました。

普段であれば、席にじっとしていなくてはならないと教えられたり、コンサート会場に入れないことも多いこども達。私達大人もオーケストラコンサートは音をたてず、静かに聴かなくてはならないと思っている人がほとんどのはず。しかし曲に合わせて体を動かし、時に手拍子や歌を合わせて伸びやかにオーケストラを楽しむひと時は、こどもだけでなく大人の私にとっても新鮮で、楽しい経験でした。

今回のコンサートはこどもを対象としたものとあって、構成も他のコンサートとはちょっと違いました。特に実際に会場のこどもがタクトを振い、「天国と地獄序曲より『カンカン』」を指揮する体験はとても貴重な思い出になったのではないでしょうか。大勢の観衆の前に出て最初は恥ずかしそうにしていた子も、タクトを振るタイミングによって、楽曲のスピードやイメージが自在に変わることを知ると、嬉しそうに小さな手を早く振ったり遅く振ったり。終わったあとにはタクトのプレゼント。少し驚きながらも嬉しそうにタクトを胸に抱いていたあの子が、いつかオーケストラを指揮することになるかもしれませんね。
コンサートが終わった後も、こども達の興奮は冷めやらず。ぴょんぴょんととび跳ねながら帰るこども達に今日の感想を聞くと、「トトロが楽しかった」「聴いたことがある曲があった」「また聴きたい!!」とみんな満面の笑顔で答えてくれました。

こども達の姿を見ていると、「音を楽しむ、音楽」ということがどういうことか、少しわかったような気がします。たくさんの音の響き、演奏によって表情を変える曲の数々。今日耳を澄ませたこども達の心には、CDやテレビでは決して味わえない「本物の音」が確かに響いていたことでしょう。





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