ゆめ・まち隊の突撃レポート

阪急阪神交通社グループ
「みんなが笑顔のクリスマスパーティー」

第29回は、東日本大震災の被災地のひとつである、宮城県南三陸町で生活するこども達に、一足早いクリスマスプレゼントを届けるために行われた、阪急交通社(旅行)・阪急阪神エクスプレス(国際輸送)を中心とする阪急阪神交通社グループの取り組み「みんなが笑顔のクリスマスパーティー」をご紹介します。
(本ページの内容は、2011年12月時点のものです)


こども達からはじまる、笑顔の輪を被災地に
『みんなが笑顔のクリスマスパーティー』は、被災地を明るい未来へと変えていく可能性をもったこども達が笑顔になれるよう、そしてこども達の明るい笑顔によって大人達も笑顔になれるように、と企画されたイベント。
阪急阪神交通社グループ各社から社員ボランティアを募り、企画・演出から当日のイベント運営まで、すべてが社員の手作りで開催しました。103名もの社員が現地に入ったほか、国内外に広がるグループの営業拠点からこども達へのクリスマスプレゼントが寄せられ、グループが心をひとつにして、会場となった『南三陸ホテル観洋』や地域の皆さんの協力も得ながら、被災地の皆様をお迎えしました。
開催当日、お母さんやお父さん、時にはおばあちゃん・おじいちゃんと一緒に、笑顔でホテルを訪れるこども達。この日のイベントには、当初の定員であった300名を超えるお申込みをいただき、急きょ定員370名に増やしたほどの盛況ぶりです。 ステージ脇の大きなクリスマスツリーに明かりが灯され、パーティーが開幕。点灯を手伝ってくれたのは同じ小学校の同級生、佐藤真樹ちゃんと、三浦和佳子ちゃん。これから始まる楽しい出来事の予感に目を輝かせています。
ホテルのフロアには、各社の社員が手作りした楽しいアトラクションで一杯。こども達は大きな声で笑いながら次々とゲームにチャレンジしたり、ステージで繰り広げられるバンドと一緒に歌ったり、パントマイムに驚いたり、楽しい時間が過ぎていきます。
パーティー終盤になると、ステージにサンタクロースが登場。なんと、サンタさんが運んできたのは、旅行・国際輸送事業で世界へ展開する阪急阪神交通社グループらしく、世界各国にある拠点のスタッフがこの日のために用意した世界各地、そして日本各地からのプレゼント。プレゼントを開いたこども達からは「すごい」「カワイイ!!」といった感想が聞こえてきます。
最後はサンタさんとこども達で、人気のマルモリダンスを踊ってパーティーは閉幕。3時間ほどの時間ではありましたが、終始笑顔に包まれた素敵なひと時を皆さんが楽しみました。

これからも続いていくことこそが、本当の成功
パーティー終了後、イベントを指揮した各リーダーにお話しを伺いました。
「イベントづくりは本当にめまぐるしかったですが、楽しかったですし、当日もこども達の喜ぶ顔を見られて手ごたえも抜群です。」と話す一方で、それぞれが復興支援に対する新たな思いも感じられています。
「今は社員一人ひとりに、復興支援の気持ちが強くあります。しかし、大切なことは今後もずっと継続していくこと。例えば5年後、10年後も変わらぬ支援を続け、被災地で毎年クリスマスを祝う“流れ”が作れて初めて、このイベントの真の成功と言えるのです。」と語るのはこども達のためのゲームコーナーを担当した平藤さん。
また、ホテルの広間での企画運営を統括した中山さんは、「今でも多くの人が、ボランティアをしたいと思っているにもかかわらず、時間的、地理的、スキルの問題から足踏みをしている方が多いというのが現状ではないでしょうか?
しかし、震災支援やボランティアというのはなにも『がれき撤去』でなくていいんです。私達は旅行会社ですから、お世話になってきた東北の方々に私達のできる形で支援を行いました。それぞれが持つ得意分野をどう生かすかを考え、被災地と向き合えば、今よりずっと行動が起こしやすくなるはずですよ」と、パーティーの成功体験を通じてボランティア活動への考え方を解きほぐしてくれました。
阪急阪神交通社グループ 中山さん(右)平藤さん(左)

社員が一体となったから、できたこと
さらに、イベントの企画・運営を通して社員の心が一体となったと感じられる、大きな成果についてお話しいただいたのは、ステージの構成・進行を担当した村田さん。
「運営ボランティアとしてこの会場に集まった社員は、総勢103名。また今日参加できなかった国内外の社員も、こども達の顔を思い浮かべながらクリスマスプレゼントを選び、心を込めてメッセージカードを書きました。当社ではかつてから社員が全員参加するような取り組みが数多くありましたし、このパーティーの成功によって、まだまだ社員が一体となって、一つのことを成し遂げることができるという実感が持てました。これからも被災地の方々の心を汲み取りながら、少しでも自分達の手で、復興を支援していくことができたら嬉しいですね」と語る姿からは、今後もグループの強い結束力を生かした活動への強い意志が伝わってきます。
今回パーティー会場ではリーダー達はもちろん、こどもの笑顔を見守るボランティアを行うスタッフ一人ひとりからも、「一過性のイベントではなく、継続した取り組みをしていきたい」という意気込みを感じることができました。
阪急阪神交通社グループ 村田さん

行ってきました!社会貢献担当の当日レポート 「みんなが笑顔のクリスマスパーティー」

仙台空港から車で2時間。南三陸町の被害はテレビなどで知っているつもりでしたが、実際に現地に行ってみると、目の前に広がる光景に思わず言葉を失います。線路はねじれ、うず高く視界をさえぎるほど積まれたがれきの山。骨組みだけ残った建物や、廃棄された車…ただただそこにあった生活の名残を留める家の基礎だけが四角く残っています。

パーティーの始まる少し前、会場である『南三陸ホテル観洋』の女将、阿部憲子さんにお話しを伺うことができました。
「街を見てお分かりいただけるように、南三陸町の復興はスピード感があるというわけではありません。やっと命が守られた人達にとって、買い物をする場所もない、交通の便も整っていないというこの状況は非常に不安なものです。現在、南三陸町でもっとも懸念されているのは人口の流出。街から人が徐々に出ていき、戻ってこなくなってしまう状況ができつつあります。こうしたことを防ぐために重要なのは、雇用や教育、そして人々の触れ合うコミュニティを創ることにあります。今回の阪急阪神交通社グループさんのイベントもそうですが、人々が顔を合わせて楽しめる機会があるというのは非常に重要です。特に未来を担うこども達の笑顔は、保護者や地域のお年寄りの心も明るく照らしてくれますから。」

確かに深い爪痕を残している被災地にあっても、こども達は笑顔を忘れません。パーティーの最中、笑顔を見せるこども達を眺める保護者の皆さんの顔も、とても優しく穏やかです。一人のお母さんからは「仮設住宅はくじで決まるので、中には仲の良い近所の友達と離れてしまうこどももいるんです。学校では会えますが、放課後一緒に遊ぶということは難しいので、今日こうして友達同士で思いっきり遊べる機会ができたのは、本当にこども達にとっても、私達保護者にとっても嬉しいことなんですよ」という、被災地の外からはなかなかわからないお話しを伺うことができました。

こうして、ささやかではあるもののひと時、被災地のこども達や保護者の皆さんがくつろぎ、コミュニケーションを取るお手伝いができたことに、阪急阪神交通社グループの皆さんも大きな達成感を感じていたようでした。

また女将は私達がこれから震災復興のためにできることについて、こんなお話しをしてくださいました。

「今は一人でも多くの方に、被災地の現状を知っていただくことが大事です。例え物見遊山でも、来ていただいてお土産を買う、車のガソリンを入れる。たったそれだけで、被災地は潤います。無理をしてがれきを取り除かなくても、皆さんの得意とすることで、被災地を支援していただけると嬉しく思います。」

パーティーが終わり、にこやかに大きく手を振って帰るこども達。一日も早く被災地の方々が当たり前のように笑える日が来るようにと祈りながら、私達一人ひとりにできることは何だろうか、と考えるきっかけを与えられたような取材となりました。





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