ゆめ・まち隊の突撃レポート

能勢電鉄
「職業体験学習の受け入れ」

第33回は、能勢電鉄の行う「職業体験学習の受け入れ」。兵庫県教育委員会が推進する「トライやる・ウィーク」として、地元の中学生を対象に、能勢電鉄の駅や妙見山上での職業体験学習の受け入れを実施。体験を通じて、こども達の職業観を育むことを目的としたこの取り組みについてご紹介します。
(本ページの内容は、2012年11月時点のものです)


能勢電鉄の駅業務、行楽施設運営の裏側に触れる一週間
職業体験学習とは、こども達が地元の事業所や店舗などで業務を体験することで、働くことの意義、楽しさを実感したり、社会の一員としての自覚を高めることを目的とした学習プログラムのこと。兵庫県では、「トライやる・ウィーク」として、約一週間にわたって、こども達が職業体験学習に参加します。
能勢電鉄では、中学生の職業体験学習を、2002年から毎年受け入れ。当初は中学校で出張講座やモビリティ・マネジメント(※)の講習を行っていましたが、その後、能勢電鉄「山下駅」での駅業務や平野車庫での電車の点検業務、妙見山クッキングセンターの運営業務など、自社施設を活用して職業体験の機会を提供するようになりました。
多彩な仕事を体験できるだけでなく、普段は決して入ることのできない駅の裏側まで見学できるという魅力から、受け入れ先として高い人気を集めています。
(※)過度に自動車を利用する「クルマ中心」のライフスタイルから、電車やバスなどの公共交通や、自転車などの積極的な利用を促す環境啓発活動。

お客様扱いをしないことで見えてくるもの
「こども達を『お客様』扱いすることはしません。ただし『特別』扱いをすることで、気づいてほしいことがあるんです。」と語るのは、妙見山クッキングセンターでの指導を行った能勢電鉄の北山さん。
「特別扱いというのは、例えば妙見リフトの下を歩いたり、車庫の中で車両の点検の様子を見たり、パストラルカードを売ったりという、普段は決してできない体験をさせることですね。
普段こども達が電車に乗る時や、妙見山に来る時は『お客様』です。しかし、職業体験の場では『お客様』であってはならない。『従業員』としての視点・考え方があること、自分達の振る舞いが、お客様からどう見られているかなどを知ってもらいたいと思っています。
実際に感想文を見せてもらうと、“裏側から見ると、いろんなことが違って見えた”という意見が多いです。こども達も職業体験を通じて、働く立場の視点を理解してくれているようですね」と語ります。
能勢電鉄の北山さん

こども達に身に付けてほしい、「自主性」
「職業体験を通じて学んで欲しいことは、自ら考えて行動する力と自主性です。妙見山上では、クッキングセンターの掃除やお客様のお手伝いなどに携わってもらいます。
特に掃除については、“掃除は全ての基本、嫌がらずに自ら進んでやるように”と伝えています。人が進んで行わないことこそ嫌がらずに取り組むことが大切なのだと私自身思っているからです。だからこそ“自分で考え、率先して動く”大切さを知ってもらうために、指導中は仕事の内容を一から十まで説明せず、こども達のペースや個性に合わせて、行動を見守るようにしています。 先日も、クッキングセンターで火が起こせず困っているお客様を見かけて、『僕が行ってきます!』と駆け出していった子がいたんです。受け入れ当初は、受身だったその子が、自ら進んでお客様のために行動してくれた。こうしたこども達の変化を見られるのはとても嬉しいことですね」。
「職業体験はわずか1週間。この短い期間でこども達が見違えるほど成長する、というのは難しいかもしれません。それでも、この体験を通してひとつでも学ぶもの、気づいてもらえることがあればと思いながら、毎年こども達と会うのを楽しみにしています」。
北山さんの言葉からは、こども達に広い社会へ元気に羽ばたいていって欲しいという、能勢電鉄の従業員の熱い想いを感じることができました。
クッキングセンターでお客様のお手伝い

行ってきました!社会貢献担当の当日レポート 能勢電鉄「職業体験学習の受け入れ」

涼やかな風の吹く、5月末の妙見山。
職業体験学習に参加しているのは、川西中学校のこども達です。
取材のこの日は、体験学習の3日目。こども達は前日まで能勢電鉄「山下駅」で駅業務を体験してきたということ。「昨日は山下駅でパストラルカードの販売を体験しました。35枚あったカードをお客さんに全部買ってもらうことができたんです!」と、充実した仕事ぶりを聞かせてくれました。

当日は、前日までの駅業務とはうって変わって、妙見山クッキングセンターの運営業務に携わります。北山さんから掃除の大切さを教えられたこども達は、早速モップを手に、汚れている場所、掃除の行き届いていない場所を探して、真剣な顔でモップを動かしています。
午前中の職業体験が終わったら、クッキングセンターで自分達もバーベキューの昼食。休憩時間中にもかかわらず、クッキングセンターに来ていたお客様に率先して応対する姿もありました。妙見山に来られるお客様が「みんながんばっているね、応援しているよ」と声をかけられることもあり、地域が一体となってこども達の成長を温かく見守る様子が伝わってきます。
午後からは、妙見ケーブルの機械室の見学や妙見リフトの下道のゴミ拾いのほか、翌日以降お客様に道案内ができるようにと妙見山上を巡回して見学しました。
一日の職業体験が終わり、充実した表情で「ありがとうございました!」という明るい挨拶をして帰ってゆくこども達。こども達の素直さに感心するとともに、「働くこと」の意義について、自分の中で改めて考えさせられるような一日でした。





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