ゆめ・まち隊の突撃レポート

阪急タクシー
「こども110番タクシー」
第4回は、地域や警察・行政と手を取り、子供を守るための活動を行っている阪急タクシーの「こども110番タクシー」を取材しました。
(本ページの内容は、2009年4月時点のものです)

きいろいシールがみかたのしるし
タクシーに付けられたこども110番タクシーのステッカー 阪急タクシー鈴木さん・久保田さん皆さんは、阪急沿線の駅前などで見かける「阪急タクシー」の側面に貼られた黄色いステッカーをご存じですか?「こども110番」と書かれたこのステッカーは阪急タクシー全車両(ジャンボタクシーと一部貸切対応車両を除く)に張られ、こどもが何かのトラブルに巻き込まれそうになった時に逃げ込める先として使っていただきたい、そして、全社規模でそのバックアップ体制を築き、こども達が安心して生活でき、育っていける環境づくりに貢献したい、という思いが形になったものです。
阪急タクシーの鈴木さんは、この取り組みを始めたきっかけについてこう語ってくれました。「昨今のこどもを狙った犯罪が増加しつつある中で、地元密着型のサービス展開をしている当社でも、地域安全の維持のためにお手伝いできることはないか?という意識を多くの従業員が持っていました。そこでまず始めたのが、高槻など一部営業所単位での『こども110番タクシー』の取り組みでした。その後、2001年の大阪府池田市の小学校で起こった痛ましい事件を機に、全社を挙げてこの取り組みに参加しようという動きになっていきました」。
こうして、2005年3月に全社へと拡大した「こども110番タクシー」。他のタクシーでも行われていた自主的な「こども110番」と大きく違った点は、京都府・大阪府・兵庫県の各警察と連携していることで、タクシー業界でこのような取り組みは阪急タクシーが初めてでした。
導入開始当日は、大阪府警・豊中市と共同で盛大なオープニングセレモニーも実施し、本社から近隣の小学校までをタクシーがパトカーやスカイブルー隊(通称:青バイ)と一緒にパレードして、地域の皆様へ取り組み開始を大きくPR。その後もポスターの掲出や小学校を訪問しての啓蒙活動などを積極的に実施して、今では広く認知されるようになりました。発足から4年目を迎えた現在、773台のタクシーが業務の中で日々地域の安全を守るため、京阪神全域を走っています。

GPS連動のシステムで、危険に即時対応
「こども110番タクシー」では、こどもの避難所としての役割を果たすだけでなく、業務中に目撃した事件・事故の情報を警察等に提供することでも、地域に貢献しています。その際に役立っているのが、タクシーに搭載されているGPS配車システム。
このシステムはカーナビなどでも活用されているGPS(衛星を使って現在位置を把握するシステム)を使用して、予約センターで稼働中の車両の位置を把握。お電話をいただいたお客様の場所に効率よく配車を行うために導入されていたシステムです。このGPSによる車両位置情報を活用して、事件・事故を発見した乗務員が緊急の連絡を予約センターに入れると、自分の場所を伝えなくても予約センター側でその場所がわかり、警察へも迅速かつ正確に伝えられるというフローの確立に大きく貢献しています。もしこのGPS配車システムがなかったら?と聞くと、「迅速な対応が明暗を分ける事件・事故では、その後の展開が大きく変わってくるでしょうね」と、久保田さんはGPS配車システムの必要性を改めて強調していました。
予約センターの様子、タクシーのGPSアンテナ

より地域の皆様と密着した活動を
阪急タクシー久保田さん こども110番タクシーステッカー「毎日、出発前にステッカーを見ると気が引き締まるんですよ」今回取材した営業企画室の久保田さんは、かつて7年間ドライバーとしてハンドルを握っていた経験があり、その時の体験をこう話します。
「こどもが巻き込まれる事件が多くなっている中で、保護者の方も防犯意識が高まっていくのを感じます。今では塾や学校などの送迎にタクシーを使われる方もいらっしゃいますね。阪急タクシーは駅を拠点としていますから、お子さんにも見つけやすいのがメリット。加えて、『こども110当番タクシー』のステッカーも見つけやすさに一役買っているようです。
時々乗っていただいていると自然と顔なじみになることも多いんです。小学校の時から高校生になるまで送迎させていただいたお子さんもいて、なんだか自分のこどもの成長を見守っているような気分になることもあるんですよ」。
最後に今回の取り組みの成果に関して、久保田さんはこう話してくれました。
「ステッカーの抑止効果か『こども110番タクシー』に駆け込んできたお子さんはまだいませんが、これまで、迷子の保護や事故にあったお子さんの救助などの事例があります。これからもずっと、タクシーに駆け込まなくてよい社会となるよう、私たちが地域に密着して安全を守るお手伝いを続けていきたいですね」。


行ってきました!社会貢献担当の当日レポート 阪急タクシー「こども110番タクシー」
こども110番の垂れ幕

阪急タクシーの本社へは、阪急宝塚線の服部駅から徒歩で。駅前に止まるタクシーの側面はもちろん、服部駅から会社への道すがらお店の軒先やご家庭のドアに「こども110番」のステッカーやのぼりを発見。街ぐるみでこどもを守ろうという、地域の皆さんの暖かな気持ちが伝わってくるようです。

10分ほど歩いて阪急タクシーの本社に着くと、そこにも「こども110番タクシー」の垂れ幕やポスターがあり、この取り組みに向けた思いが伝わってきます。会議室で鈴木さん、久保田さんに「こども110番タクシー」の説明を一通り聞いたあとは、特別に予約センターも見せてもらいました。中に入ってみるとびっくり、部屋中にパソコンがずらりと並んで、マイクを前にしたオペレーターが忙しくドライバーに指示を出しています。それもそのはず、たった1カ所の予約センターで京阪神に広がる全営業所のタクシーをさばくのですから、忙しいのも納得です。

タクローくんと社会貢献担当

「こども110番タクシー」を通じて安全な“地域環境づくり”の面で社会に貢献している阪急タクシーですが、エコロジーにもしっかりと力を入れています。一例ではアイドリングストップ機能を標準的に装備した車両の導入や、地球にやさしいLPガスを燃料としている点など。もちろん先ほどお話した予約センターの効率の良い配車でも、燃料などの節約を行えるそうです。

外でタクシーの中を見せてもらっていると、久保田さんが「こんなものも作りました。」と、阪急タクシーの愛らしい二頭身キャラクター「タクローくん」のかぶり物を持ってきてくれました。阪急電鉄正雀工場で開催されている「阪急レールウェイフェスティバル」で、実際に社員がかぶり、環境教育活動などを行っているそうで、こども達にも非常に人気があるとか。実際にかぶってタクローくんに変身した瞬間、それまで折り目正しくキチッとお話をしていた久保田さんの雰囲気が激変!とってもコミカルな動きで、タクシーの説明をしてくれたのにはビックリ! これならこども達への人気の高さも納得です。

こども達が安心して暮らせる環境づくりとともに、地球環境にも配慮して活躍する「阪急タクシー」。皆さんもタクシーに乗る際は、駅前で黄色い「こども110番」のステッカーを探してみてくださいね。





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