ゆめ・まち隊の突撃レポート

vol.43 西山ドライブウエイ「こども110番」活動
第43回は、阪急沿線の駐輪場・駐車場を地域のこども達に緊急避難場所として提供する、西山ドライブウエイの「こども110番」活動についてご紹介します。
(本記事の内容は、2014年8月時点のものです)

「こども110番」活動とは?
こどもが被害者となる事件が全国で相次ぎ、大きな社会問題となった1990年代後半。「地域でこども達を守ろう」という機運が高まり、「こども110番の家」制度が誕生しました。これは、地域の家庭や企業の事業所などが「こども110番」というプレートやステッカーを掲出することで、不審者に声をかけられたり、つきまとわれたりして身の危険を感じたこども達がすぐに避難できる拠点をつくろうという取り組みです。
阪急神戸線・京都線の主要駅で駐輪場や駐車場の運営を担っている西山ドライブウエイでは、2014年4月からこの活動を開始しました。スタッフが常駐している駐輪場・駐車場17カ所に、「こども110番」の拠点の証としてステッカーを貼付けています。こどもが駆け込んで来た際にはスタッフが速やかに110番通報するとともに、各拠点を統括する西山ドライブウエイ大阪事務所にも連絡するという全社的な体制を整えています。
「こども110番」運動とは?
「こども110番」運動とは?

緊急時の対応は全スタッフにしっかり周知
ステッカーを貼って活動を始めるにあたり、西山ドライブウエイではこども達を保護するための準備を入念に進めてきました。
まず、警察から提供されたマニュアルの内容を、対象となる職場が取組みやすいように再編集した「こども110番 対応マニュアル」を各所に配布。マニュアルには、こどもが助けを求めてきた時の対応方法が記されているほか、こどもから聞いた情報を確実に警察へ通報できるよう、報告書の様式も備え付けています。
さらに、活動開始時に現場の責任者を通じて全スタッフに周知したとのこと。その後も新入社員にも入社時に説明しているので、緊急時に誰が居合わせても安心です。
「現場スタッフは清掃などで施設の外にも目を配っているので、駆け込んで来たときだけでなく、困っているこどもを見かけたら声をかけることができます。また、スタッフの中にはこどもや孫のいる者も多く、こども達の応対に慣れているのも安心材料ですね」と、西山ドライブウエイの川崎さんは言います。
緊急時の対応は全スタッフにしっかり伝達
西山ドライブウェイの川崎さん

地域とつながりが深いからこそできること
活動を始めるにあたっては、グループ会社の阪急タクシーが行う「こども110番タクシー」などを参考にしたといいます。
「駅に隣接する駐輪場・駐車場は、通勤・通学時にご利用されるお客様も多く、タクシーと同じく、自然と地域との距離が近くなります。そのため、私たちにできる社会貢献活動を考えていたとき、この『こども110番』活動ならすぐに始められると考えました。スタッフも積極的に参加してくれています。また、お客様の中にはご自身の自転車に『こども110番』のプレートを付けてこどもの見守りに協力されている方もいて、直々にこの活動にアドバイスを頂くこともあるんですよ」と、川崎さん。
今後は、これらの施設がこども達の緊急避難場所となっていることを、近隣の幼稚園や保育園、小学校などへ告知していきたいとのこと。また、地域に根差した施設として、警察や自治体などが行う安全・安心なまちづくりのための運動にも、積極的に参加していくそうです。
阪急茨木北駐輪センターのスタッフ


行ってきました!社会貢献担当の当日レポート 西山ドライブウエイ「こども110番」活動
社会貢献担当の当日レポート

今回取材に伺ったのは、阪急茨木市駅の北側にある駐輪センター。利用者の方に「おはようございます」「いってらっしゃい」と明るく声をかけ、きびきびと立ち働くスタッフの姿が印象的です。
「あいさつをはじめ、お声がけはスタッフ全員でしっかり行っています。顔なじみの常連さんとは、少し世間話をすることもあるんですよ」と話してくれたのは、この駐輪場の副場長である福田さん。勤続21年という大ベテランです。

社会貢献担当の当日レポート 阪急茨木北駐輪センターの福田さん

「こども110番」活動については、「夕方には、近所の塾に通うこども達がよくやってきます。この活動が始まってから、このこども達のことを今まで以上に気にかけるようになりました。何も起こらないのが一番ですが、いざ助けを求められたときにはきちんと対応できるようにしておかないと」と、意気込みを聞かせてくれました。普段からなじみのあるスタッフなら、お子さんはもちろん、女性の方も困った時に声をかけやすいですよね。

西山ドライブウエイでは今後、新しく入社したスタッフに対して、業務内容の研修と併せて「こども110番」活動の教育も行っていくとのこと。さらに、既に対応を把握している現場責任者に対しても、マニュアル内容の定期的な再確認や、「こども110番」の対応実例の共有などを予定しているそうです。
安全な暮らしを守る拠点としての「こども110番」の取り組みが、タクシー、店舗、駐輪場・駐車場と広がっていることをうれしく思う取材となりました。



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