ゆめ・まち隊の突撃レポート

vol.44 阪急交通社「従業員による高野山道普請(みちぶしん)ボランティア活動」
第45回は、阪急交通社が世界遺産保全のために実施した「従業員による高野山道普請ボランティア活動」についてご紹介します。
(本ページの内容は、2014年9月時点のものです)

旅行会社の責務として自然景勝地を保全したい
 お客様のニーズに合わせて、多彩な旅行プランをご提案する阪急交通社。旅行ツアーで訪れる土地での清掃ボランティアや、森林保全ボランティアなど、様々な環境保全活動を従業員とともに展開しています。活動をはじめたきっかけは旅行業を営む企業の責務として、自然景勝地の保全に取り組むとともに、多くのお客様をお連れする各地の魅力を従業員に知ってもらいたいという想いからでした。
 今年は、世界遺産登録10周年ということもあり、多くの観光客が高野山を訪れています。そこで、5月に「高野山町石道(ちょういしみち)」で阪急交通社グループの従業員が道普請作業を行うボランティアツアーを実施しました。
高野山町石道の景観

1.5トンの土を運んで崩れた道を整備
 弘法大師空海が開創した密教修行の聖地・高野山。「高野山町石道」は、全部で7つある高野山への参詣道のひとつであり、弘法大師によって開かれたと伝えられています。
 道の全長は、約23キロメートル。高野山北部に位置する慈尊院から奥の院弘法大師御廟へと至る道中には、標(しるべ)として1町(約109メートル)おきに全108基の石柱が立てられています。2004年7月には、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されました。
 もともと一年を通して雨が多く、台風にもしばしば見舞われる地域でしたが、世界遺産として有名になってからはウォーキングなどの観光客が急増。山中を通る土の道には、あちこちに傷みが生じていました。
 阪急交通社はこの貴重な世界遺産を後世に残し、地域の環境を保全するため、和歌山県と協力して参詣道の維持・復旧活動を行うことにしたのです。
 当日は従業員とその家族が50名参加し、崩れた道を修復するための用土を約1.5トン運び込みました。阪急交通社の清水さんは、「作業には、和歌山県庁の職員の方にも立ち会っていただきました。元々は1時間程度を想定していたのですが、実際に参加した人数が募集定員より多かったこともあり、30分程で作業終了。大量の土でも、手分けをするとあっという間でした」と語ります。
日本が誇る世界遺産を後世に残すために
阪急交通社の清水さん

楽しみながら社会貢献できるボランティアツアー
 道普請作業の後には、豊かな緑に包まれた3町程の道のりを語り部の案内で歩く「町石道ウォーク」が実施されました。清水さん曰く「当社では高野山上のツアーを行っているので、山上にある観光地のことはよく知っていても、参詣道については知らないという従業員が多いのです。旅行ビジネスに携わる者として、今後お客様に説明できるようにぜひ行ってみたいという責任感から参加した従業員も多かったです」とのこと。
 ウォーキングの後は、地元名物をいただける食事処へ。自然や歴史、グルメに至るまで地域の魅力を満喫しながら社会課題について考えを深めることができる、阪急交通社ならではの社会貢献活動です。
 「2015年は高野山開創1200年。さらに2016年にはNHKの大河ドラマで山麓の九度山に幽閉されていた真田幸村が取り上げられるため、高野山は今後ますます注目を浴びるはずです。これからも取り組みを継続していきたいですね」と、今後の意気込みを語ってくれました。
楽しみながら社会貢献できるボランティアツアー
楽しみながら社会貢献できるボランティアツアー


行ってきました!社会貢献担当の当日レポート 阪急交通社「従業員による高野山道普請ボランティア活動」
社会貢献担当の当日レポート

 2014年5月31日、阪急交通社のツアーバスが、阪急梅田バスターミナルから出発。部署や年齢を問わず幅広い層の従業員が参加し、中には「地元に貢献したい!」という想いを持った大阪南部や和歌山県出身者の姿も見られました。

社会貢献担当の当日レポート

 今回作業を行ったのは、59町石近くの登山道。近くの原っぱに広げた約1.5トンの土を、参加者がそれぞれ袋につめて運びます。「ならし」や「たたき」といった作業には技術が必要であるため、和歌山県の職員の方が行ってくださいました。
 作業後の「町石道ウォーク」では、鎌倉時代に立てられたという石柱を前に「こんな大きな石をどうやってこんなところまで運んだんだろう?」と大興奮。実際に触れることのできる、貴重な世界遺産です。日差しは強かったものの、町石道は木々に囲まれているため、大半は涼しい日陰で過ごすことができました。
 参加従業員からは、「これまで『ボランティア』というと大変そうなイメージで気後れしていましたが、自分のできる範囲で世界遺産を後世に残すお手伝いができて嬉しかったです」「観光地でのボランティア活動は、その地域にとっても私たちの企業にとっても有意義なものだと思います」といった満足の声が出ていました。



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