ゆめ・まち隊の突撃レポート

vol.46 阪急阪神ホテルズ 東日本大震災復興支援「桜プロジェクト」
第46回は、阪急阪神ホテルズが2011年から東日本大震災の被災地復興支援として行った「桜プロジェクト」の寄贈報告です。
(本記事の内容は、2015年3月時点のものです)

被災地の人々の心に夢と希望を届ける「桜プロジェクト」
2011年3月11日に発生し、大きな被害をもたらした東日本大震災。発生直後から、被災地には数多くの救援ボランティアが現地入りし、日本国内だけでなく世界中の国や企業や個人からも、支援の手が差し伸べられました。
阪急阪神ホテルズでも同様に、義援金活動や避難者への客室無償提供などを行い、さらに被災地の人々の心に夢や希望を届けたいと同年7月から開始したのが「桜プロジェクト」です。これは一日でも早い復興を願い、お客様と共に被災地へ桜の苗木を寄贈、植樹するという取り組みでした。

本プロジェクトの期間中、阪急阪神ホテルズの直営レストランなどをご利用いただいたお客様にスタンプカードをお渡しし、1回のご利用につきスタンプを1つ捺印。スタンプを3つ集めたカードをご提出いただくと、阪急阪神ホテルズが寄付金を積み立てました。2011年11月末までの受付期間に3,979枚のカードが集まり、ゆめ・まちプロジェクトからの上乗せ寄付分を合わせて金額は200万円に達しました。そのプロジェクトが実ったのは、2014年6月。宮城県岩沼市に55本の“大山桜”の苗木が寄贈されました。
桜プロジェクトのロゴ

大山桜が寄贈された宮城県岩沼市とは?
仙台市の南、仙台空港を擁する宮城県岩沼市。震災直後の映像で、仙台空港が津波に襲われる映像を目にした方も多いのではないでしょうか。市域の約半分が浸水し、地震と津波で181名もの命が失われました。特に沿岸部の集落や工業団地は被害が大きく、岩沼市は被災地の復興として、集団移転をいち早く進めてきました。今回桜が寄贈されたのは、この沿岸部の6集落の方々の集団移転先である岩沼市玉浦西地区です。
寄贈されたのは大山桜の苗木。寒さに強く、また根元近くから枝分かれし、人々の視線とほぼ同じ高さに鮮やかな花をつける桜です。この地に植えられた大山桜が、コミュニティ再生の歩みを見守ることになりました。
震災直後の仙台空港の様子

震災の記憶の後には、優しく美しい桜の思い出を
3年の月日を経て実現した今回の寄贈。実務を担当した阪急阪神ホテルズ課長の林さんは植えられた桜に目をやり「咲き初める大山桜の姿に、震災の辛い記憶を乗り越え春を迎える喜びを、被災地の方々が感じてくだされば、こんなに嬉しいことはありません」と感慨深い様子です。スタンプカードを受け付けた当時、「阪神淡路大震災を経験した私たちにとって、今回の震災は他人事とは思えない」と参加されたお客様も多かったといいます。寄贈地を何度も訪れた執行役員の井上さんは「岩沼市への寄贈が2011年に決まった後、復興の進展を陰ながら応援していました。2014年にようやく桜を植えることができ、お客様の志を届けられてホッとしました。桜プロジェクトに賛同いただいたお客様に、厚くお礼を申し上げたいですね」と話します。桜の枝に新芽を見つけたお二人は、「春には咲きますね」と頬を緩めていました。
阪急阪神ホテルズ 阪急阪神ホテルズ
(右から) 井上執行役員と林課長
大山桜の満開イメージ

桜は人々の心をひとつにする花
「桜をいただき、集団移転のよいはなむけとなりました。桜はふるさとに春の訪れを告げる花ですから」とお話しいただいたのは、岩沼市の菊地市長。「桜がほころぶ4月後半は、ちょうど農作業を始める時期でもあります。震災前は、それぞれの集落に桜と神社があり、そこで花見や祭が行われていました。今回寄贈された大山桜が、人々が集い交流を深めるきっかけとなれば」と展望を話されました。
また、こうした集団移転によるコミュニティの再生とともに、岩沼市は、災害時の被害を最小限に食い止める「減災」の街づくりも進めています。その代表例は、震災のがれきを再生して津波発生時の避難場所となる盛り土の丘をつくり、斜面に植樹することによって津波の力を減衰する緑の堤防「千年希望の丘」の整備です。このように急ピッチで復興を進める岩沼市であっても、復興はまだ道半ばといいます。
「震災から4年が経ち、玉浦西地区は新たな一歩を踏み出しましたが、『千年希望の丘』の整備は着手したばかり。数万本単位での丘の斜面への植樹は毎年続けますし、15個整備する丘のうち財源が確保できない2個は、市民にこれから寄付を募ります。全国の皆様には、これからも被災地の復興に目を向け、支援を寄せていただきたいと思っています。今回桜プロジェクトに参加してくださった皆様もぜひ岩沼市を訪れてください。桜の下で、春と復興の進展をともに祝いましょう」と力強く語ってくださいました。
「千年希望の丘」で実施された植樹祭の風景
岩沼市 菊地市長


行ってきました!社会貢献担当の当日レポート 阪急阪神ホテルズ 東日本大震災復興支援「桜プロジェクト」
道路沿いに植樹された大山桜
桜を囲む(左から)阪急阪神ホテルズ林課長、井上執行役員
岩沼市 菊地係長、菅井課長

仙台空港から電車で30分ほどの宮城県岩沼市。
今回訪れた玉浦西地区では、集団移転の住宅建設が進んでいます。周囲に残る、整備中の掘り起こされた地面や、津波を受けまばらに残った松林などの風景が震災の爪痕(あと)を感じさせます。
実際に被災地を見ていない私たちは、順調に復興が進んでいるように考えがちですが、以前と変わらない生活を取り戻すためには、まだ時間と支援が必要なことが感じられます。
今回寄贈された桜は玉浦西地区の道路沿いに約12m間隔で、750mにわたって植樹されていました。将来この地で、大山桜のピンクの花が満開になれば、さぞ美しい並木道になるのではと思いました。

千年希望の丘

その後は、震災復興の記念公園であり、また津波の猛威から街を守る緑の堤防として建設が進む「千年希望の丘」へ。公園内には、震災前の道路が残されていたり、震災前の街並を描いたパネルなどが設置され、ここに戻ってきた人々が、かつての生活を思い出せるようになっています。
取材を行ったのは12月、厳しい冬が迫ってくる季節でした。それでも着実に復興は進み、桜の苗木は整然と並んで春を待っています。春になったら、咲きそろう桜に集う、笑顔の人々に会いたいと思える取材となりました。

岩沼市では、「千年希望の丘」で、除草・園内清掃を行うサポータースタッフを募っています。被災地の今と復興の道筋を確かめに、地域の皆さんと共に心地よい汗を流してみませんか。また、現地に出向かずとも、寄付を通じて現地の復興整備を応援することもできます。
千年希望の丘サポーター制度の概要はこちら

千年希望の丘イメージ図

岩沼市千年希望の丘整備復興寄付金の概要はこちら
「千年希望の丘」は先進的な復興モデル実現の場であり、数々の教訓を千年先まで伝えるための歴史的なプロジェクトです。
一日でも早く「千年希望の丘」を築造するために、ご支援よろしくお願いします。

振込先:七十七銀行 岩沼支店
口座番号:普通 5685796
口座名義:岩沼市千年希望の丘整備復興寄付金 岩沼市長 菊地 啓夫



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