ゆめ・まち隊の突撃レポート

 阪急阪神エクスプレス
「絶滅危惧種『ジャイアントパンダ』の保護啓発活動への支援」
第58回は、絶滅危惧種「ジャイアントパンダ」の保護啓発活動への支援に関する、阪急阪神エクスプレスの取り組みについて紹介します。
(本記事の内容は、2016年11月時点のものです)

動物園での種の保存に関する取り組みについて
絶滅が危惧されている動物の保護は、生物多様性の保全につながる活動であり、私たちの住む地球環境を守ることでもあります。今や動物園にいる大半の動物が絶滅を危惧されており、保護繁殖活動やそれを支える調査研究を動物園同士で協力し合う体制が不可欠です。IUCN(国際自然保護連合)が決めたレッドリストに基づき、都立動物園では希少動物50種を選定し、優先的に飼育・保全・繁殖計画を推進しています。ジャイアントパンダの保護は東京都恩賜上野動物園(以下、「上野動物園」)で、他の動物については都内の4園共同でプロジェクトチームを組んで保護活動に取り組んでいます。
特に上野動物園ではジャイアントパンダ情報サイト「UENO-PANDA.JP」を開設、野生のパンダの状況や、今の上野動物園のパンダ情報を発信しているほか、飼育係が来園者に話をするキーパーズトークも行うなど、パンダの保護活動を広く知ってもらうための活動にも力を入れています。


中国からパンダを安全に輸送する
現在上野動物園にいるパンダのリーリーとシンシンは、2011年に中国からやって来ました。この輸送を担当したのが、阪急阪神エクスプレスです。1948年に日本で初めてIATA航空貨物取扱代理店の認可を取得し、1949年に税関貨物取扱人(現通関業)の免許を取得以降、動物輸送に携わるようになり、1972年には日中国交正常化を記念して日本に初めてやって来たパンダの輸入業務を取扱いました。
阪急阪神エクスプレスの津田さんは「動物の国際輸送においては、税関は財務省、ワシントン条約は経済産業省、検疫は農林水産省と、承認や輸出入のライセンス発行を担う官庁が多岐にわたるため、事前準備に時間と労力がかかり大変です」と語ります。
ジャイアントパンダ輸送の受注決定は2010年12月。上海支店を中心に約10人、日本側約15人のチームで関わりました。日程の延長、ライセンスが下りない。苦労を重ねて日程が決定したものの、今度は用意されたオリが大きすぎて直行便の貨物室に入らないことが判明。結局、上海経由で積み換えて成田空港への輸送となりました。
四川省のパンダ保護区から、全28時間の行程を経て、阪急阪神エクスプレスのトラックで上野動物園に無事到着したときは、多くの人に拍手で迎えられました。
 


パンダを通して種の保存の大切さを知ってもらいたい
ジャイアントパンダを再び上野動物園に迎えたことをきっかけに、「ジャイアントパンダ保護サポート基金」が設立されました。現在では個人・企業の皆さんから多くの寄付が集まっています。
2012年7月にメスのシンシンが出産、残念ながら1週間で赤ちゃんが死亡した際には、一般の方から多くの花やお見舞いが送られたとのこと。東京動物園協会の中川さんは「パンダがどれほど大切に思われているかを改めて実感しました。ジャイアントパンダを繁殖させることが、何より私たちの使命です」と語ります。阪急阪神エクスプレスの津田さんいわく「パンダなどの動物輸送は、種の保存・繁殖プロジェクトを支える重要な要素ですから、やりがいもあります。他の動物園と協力して種の保存を進めるため、国内動物輸送の案件も増えています」とのこと。蓄積した長年のノウハウを活かし、今後も安全な輸送で種の保全の一端を担っていきます。

行ってきました!社会貢献担当の当日レポート 

2011年、パンダが到着した約3週間後に東日本大震災が発生、上野動物園も3月末まで休園となりました。4月に再開、パンダ2頭をお披露目した時には、大勢のお客様が訪れたそうです。取材当日も平日ながら多くの方が来園され、広々とした園内では動物たちのちょっとした動きやしぐさに歓声が起き、たくさんの笑顔があふれていました。

ジャイアントパンダ保護サポート基金は、主に [1]野生のジャイアントパンダを守る国際的な保護活動 [2]上野動物園のジャイアントパンダの飼育環境の向上 [3]ジャイアントパンダについての普及啓発に使われます。たとえば[2]では、屋外飼育場の台座の製作などに、 [3]では毎年12月の国際シンポジウム開催のために使用されました。

上野動物園の年間入園者は、400万人弱と日本一。そのジャイアントパンダ舎近くには、阪急阪神エクスプレスが製作した、ジャイアントパンダの生態と、2011年の輸送経緯をわかりやすく紹介した啓発ボードが設置されています。来園された方がこの啓発ボードを見て、ジャイアントパンダを始めとする種の保存について少しでも理解を深めていただければと願う取材になりました。



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