ゆめ・まち隊の突撃レポート

阪神電気鉄道・阪急阪神ホテルズ
「キッザニア甲子園」へのパビリオン出展
第9回は、3月27日にオープンし、阪神電気鉄道と阪急阪神ホテルズがパビリオンを出展する「キッザニア甲子園」を取材しました。
(本ページの内容は、2009年9月時点のものです)

世界初の電車パビリオン
メキシコで誕生し、国内2番目となる「キッザニア甲子園」。館内には全部で50以上のパビリオンがあり、こども達はリアルな街並みの中、本物そっくりのユニフォームを身につけて色々な体験をすることができます。体験後には報酬として「キッゾ(キッザニア内のみで使用できる通貨)」が支払われるなど、単なるお仕事ごっこではない職業・社会を体験をすることができる施設です。
阪神電気鉄道はここに、世界初の電車パビリオンを出展しました。きっかけは、2006年に開業した「キッザニア東京」に社員の一人が興味を持ったことから。折しも「キッザニア甲子園」と同時期に「阪神なんば線」の開通を控えていたこともあり、沿線活性化という意義からも出展を決めたそうです。そして何よりも「キッザニアは、今のこども達が失いつつある、ものをつくる、サービスをするという経験を得る、非常に素晴らしい施設」と、阪神電気鉄道の小林さんは話します。「私がこどもの頃は家の近くに商店街があり、畳屋さんが畳を縫っている様子や、かまぼこ屋さんでかまぼこができる様子を見ていたのをよく覚えています。今の時代はできあがった完成品が、どこに行ってもすぐに買えますが、それがどうやってできているかを見る機会がなかなかありません。だからこども達の知識は増えても、経験の量は少ない。キッザニアで“なぜ、これができるのか?”“誰がどうやって動かしているのか?”を知り、疑問に思うのはこども達にとって非常にプラスなことだと思います。」
阪神電気鉄道 小林さん

「コミュニケーションの大切さ」を学んでほしい
こども達が仕事を体験する電車パビリオンは、細部にまでこだわった仕上がり。車内の時計はもちろん、車掌が使うドア開閉スイッチや客席、床材まで本物の電車と同じものを使用しています。またシミュレーターは、実際に運転席や車掌席から見える景色を撮影し、電車の走行音、各駅の環境音を忠実に再現。まるで本当に電車を運転しているかのような精度の高さです。
このシミュレーターを使い、こども達が挑戦するのは「運転士」と「車掌」の仕事。「運転士」のみにしてしまわなかった理由について、小林さんは以下のように語ります。「両者のやりとりを通して、鉄道運行におけるコミュニケーションの大切さ、チームワークの重要性をこども達に学んでほしいと考えました。また、お客様の大切な命を守る上で、作業の手順や確認を確実かつ円滑に行うことがいかに重要かということも伝えたかったのです。こうした取り組みをきっかけに、今後さらに地域力の向上や社会に貢献する糸口を見つけ、事業として発展させていきたいですね。」

グループ46件目のホテル誕生
同じく「キッザニア甲子園」に出展している、阪急阪神ホテルズのパビリオンも、世界初のホテルパビリオンです。出展のきっかけは、ホテル業界ご出身というキッズシティージャパン(=キッザニア)の社長からお話をいただいたことから計画はスタートしました。「ホテルパビリオンとしての前例がない中、不安はありましたが、だからこそ甲子園でしか体験できないパビリオンであることは魅力にもつながります。ホテルパビリオンは、ホテル阪急インターナショナルをイメージし、ホテル内の企画開発チームでは、“グループ46軒目の新たなホテル”(現在45ホテル)という気持ちで取り組みました」と話す、阪急阪神ホテルズの田村さん。
出展が決定した後、周囲の声で多かったのが「どんな仕事をするのですか?」といったもの。ホテルの仕事は、物をつくったり売ったりする仕事ではなく、日常的に利用する機会が少ない場所でもあることから、仕事内容がイメージしにくかったようです。阪急阪神ホテルズのパビリオンで体験できるのは、「宴会部門(バンケット)」と「宿泊部門」。宴会部門では、テーブルクロスをかけたり食器類を並べる作業、宿泊部門では客室係はもちろん、ベルやフロントスタッフの役割もこなします。宿泊部門の仕事は幅広いですが、できるだけ多くのこども達がさまざまな仕事を体験できるように工夫されています。
阪急阪神ホテルズ 田村さん

ホテルの「ホスピリティ」を伝えたい
「これらの仕事を通して、こども達に一番伝えたいことはおもてなしの心“ホスピタリティ”です。ただ、“お客様に喜んでいただくことのすばらしさ”や“何をもってホスピタリティというのか”をこども達に伝えるのは大変難しく、どうすれば充実感を味わってもらえるか試行錯誤の連続でした。また、できるだけ本物に近づけるという点でも苦労しました。お皿やワイングラスをはじめ、客室ではベッドや壁紙にまで本物にこだわったのは、“本物ではない”とわかった時点で、こども達の心は私達から離れてしまうからです」と田村さん。しかし、そうした工夫の成果か、こども達は純粋に仕事を楽しみ「やさしい気持ちになった」「チームワークは大切だと思った」という声も聞かれるとか。
お客様の喜びを、自分の喜びにすることのすばらしさを実感した人間が、ホテルの仕事に多く就いているといいます。「こども達にも早い段階でこうした喜びを体験し、より豊かな心を育んでほしい」と田村さんも大きな期待を寄せているようです。

行ってきました!社会貢献担当の当日レポート 阪神電気鉄道・阪急阪神ホテルズ「キッザニア甲子園」へのパビリオン出展

今回取材したのは、3月27日にオープンした「キッザニア甲子園」。取材当日は気持ちの良い快晴で、阪神甲子園駅から歩くこと約8分で「キッザニア甲子園」のある「ららぽーと甲子園」に到着しました。キッザニアの入り口には、空港があり、入国手続後ゲートの中へ。すると、なんとそこは夜の世界!リアルな街並みの中には、病院や警察署などの施設、劇場、広場が広がり、ときには火災現場で小さな消防士たちが懸命に消火活動を行っています。この街では、こども達が主役。自ら仕事を選び、仕事の報酬には「キッゾ」という通貨を受け取って、それを使って買物やサービスを受けることができます。

さて最初に訪れたのは、阪神電気鉄道の電車パビリオン。こども達はユニフォームを着用し、スタッフの説明を真剣に聞いた後、さっそく運転士と車掌の仕事体験へ。モニターに映し出される走行映像に夢中になる男の子や、緊張の面持ちでドアの開閉やアナウンスをする車掌の女の子の姿も。お客さんが乗降する様子も駅ごとにシチュエーションが異なり、簡単な仕事ではありません。仕事がうまくできずくやし泣きをする子もおり、その一生懸命さに胸をうたれました。

次に、阪急阪神ホテルズのホテルパビリオンを見学。1階の宴会場では、男の子と女の子が一緒にテーブルクロスをかけていますが、これがなかなか難しい様子。余分な空気が入るとクロスにシワが入るため、二人が呼吸をあわせて均等に広げなくてはなりません。テーブルクロスをかけたら、次は食器類のセッティングです。こちらは、お子さんの年齢にあわせてナイフとフォークの本数を変えるなど、みんながわかりやすく楽しめるような工夫がされています。また2階のフロントでは、パソコンのモニターを見ながら、宿泊状況を確認したり、さらにはベルマンとしてお客様の荷物を客室まで運んだりと、こども達が凛々しい姿で働いていました。

熱心に仕事をこなすこども達の姿を見て、大人もこどもの頃にもっていた仕事に対しての憧れやひたむきさを改めて思い返すに違いありません。次世代の育成につながるこの施設は、未来の社会全体への貢献にもつながっていると、確信しました。施設を飛び出して本当の現場での仕事体験もできる「アウトオブキッザニア」も実施されるなど、「キッザニア甲子園」と両パビリオンのこれからが非常に楽しみです。





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