現場と本社をつなぐ“架け橋”

池永 幸資(Ikenaga Kosuke)

2011年入社
阪神電気鉄道(株)
都市交通事業本部 運輸部 神戸駅管区/駅長
※2018年11月時点

現場の視点と本社の視点をバランスよく養えた8年間

2011年

Work

2011年6月~
阪神電気鉄道(株) 運輸部 現場研修
全体の新入社員研修の後、運輸部に配属されました。配属後は現場研修を通して、車掌や運転士に必要な知識・技能を習得します。知識や技能が身についたのはもちろんですが、教習所の先生や現場の先輩、他の見習生などとコミュニケーションを図ることで、現場の空気を肌で感じることができました。

Work

2011年11月~
阪神電気鉄道(株) 運輸部 企画課(都市交通コア担当)
現場研修が終了し、企画課の都市交通コア担当として、阪神電鉄の都市交通事業全体の予算管理業務及び中期経営計画の策定業務などを行いました。本社部門において、所属する運輸部だけでなく、技術系の部署、バスやタクシーといったグループ各社の管理業務を行うことで、都市交通事業がどのように成り立っているかを理解し、物事を幅広い視野で捉える力を養うことができました。

2013年

Turning point

2013年4月~
阪神電気鉄道(株)運輸部 甲子園駅管区 助役
厳しくも温かい初めての現場が鉄道マンとしての原点に
甲子園駅管区(管区:管轄区域のこと)「助役」という、現場の方を束ねる立場となり、収入管理、労務管理、係員の育成など、現場の管理業務を担当。入社3年目にして自分の両親よりも年上の先輩方を指導する立場になりました。当時の甲子園駅管区の先輩方は個性的な方が多く、最初の頃は本当の助役と認められていない雰囲気を感じることもあり悔しい思いもしました。そういった中で、勤務中はもちろん休憩中や勤務終了後に「本音」を聞き出すため、積極的にコミュニケーションを図り、意見を交わして相手の考えを誠実に理解するよう努めました。同時に、知識の面では誰にも負けないレベルを目指して必死で勉強し、あらゆる仕事にチャレンジさせてもらいました。その甲斐あって甲子園駅管区での勤務最終日、先輩方から「一緒に仕事ができてよかった。ほんまに信頼できる助役さんやったわ。」という言葉をかけてもらったときには思わず目頭が熱くなりました。配属初日、当時の駅長から「鉄道事業はチームワークが重要で、そのためには信頼関係が何よりも大切」と教えられたことが、本当の意味で理解できた瞬間でした。

2014年

Private

この頃から、勤務中以外にも職場の先輩・後輩と積極的にコミュニケーションを図るようになり、飲みに行く機会も増えました。現在勤務している神戸駅管区には「神交会」という親睦会があり、屋形船に乗って食事とお酒を楽しむイベントを実施しました。仕事を忘れて、大いに楽しむことができました。

2014年

Work

2014年4月~
阪神電気鉄道(株) 運輸部 営業課(CS担当)
※CS:Customer satisfaction「顧客満足」
お客さま満足度向上を目的とする「CS担当チーム」の立ち上げメンバーとして、本社の営業課に異動。現場の意識改革や改善活動の支援、お客さまからのご意見・ご要望への対応、阪神電車ファン獲得に向けた各種施策などを実施しました。(阪神電車 安全・CS向上への取り組みはこちら)当初、正直なところ、現場からの「CS」に対する拒否反応のようなものも一部感じられ、本社・現場が一体となって活動に取り組めているとは言い難い状況でした。しかしながら、「なぜCS活動が必要か」など、現場の立場・実情を十分に考えたうえで、本社の考えを粘り強く伝えることで、徐々に本社・現場が一体となり、CS活動に取り組むことができるようになりました。結果として、後の2016年に行う、お客さまサービス調査において、阪神電車の総合満足度が大きく上昇することに、少なからず貢献できたのではないかと思います。現場部門での経験があったからこそ、本社からの一方通行の指示に終始し、「やらされ感」を抱かすのではなく、「一体感」を醸成することができたのだと考えています。

2015年

Work

2015年4月~
阪神電気鉄道(株) 運輸部 教習所 兼任教師
駅係員や車掌、運転士の養成を目的とした組織として、教習所があります。その教習所の教員として駅係員や車掌、運転士などの養成教育を受け持ち、同時に、教育の質の向上を目指す新規教材の開発プロジェクトに携わりました。教員の職務を全うするということはもちろんですが、総合職として、今後の阪神電鉄における鉄道事業の人材育成をどうしていくかという視点を常に持ちながら、業務に励みました。多くのプレッシャーはありましたが、人の成長を間近で見ることができ、人材育成のやりがいを実感する日々でした。当時の教え子たちが、それぞれの現場で活躍している姿を見ると、自分もさらに頑張ろうという気持ちになります。

2016年

Work

2016年12月~
阪神電気鉄道(株) 運輸部 営業課(CS担当)主任
CS業務を統括する主任として、再び本社の営業課へ異動。お客さまサービス調査を実施し、その結果をもとに、今後の阪神電車のCS活動の在り方を表す中期計画を策定しました。この時期になると、「CS」という言葉も随分浸透するようになり、現場からの改善提案なども積極的にあがるようになってきました。改善提案については、たとえ、どんな提案であろうとも、「何かヒントが隠されている」という考えのもと、現場に足を運び、真摯に向き合うことを意識していました。実際に現場に足を運ぶことで、サービスを大幅に向上させるヒントを発見できたり、提案者から「本社が提案に対して真摯に向き合ってくれている」という言葉をかけてもらったりしました。現場部門で培った、「足を運び、自分の目でみる」という意識が確実に活かされたのではないかと思います。

2018年

Work

2018年2月~3月
阪神電気鉄道(株) 運輸部 梅田駅管区 首席助役
現場に異動となり、梅田駅管区の首席助役(駅長のもとで駅係員の指導監督を行う立場)として、現場の管理業務と駅長不在時の代理業務などを担当。異常時には現場の最前線で指揮を取らなければならず、冷静に先を読みながら即座に指示を出す難しさを感じました。この経験を通して、何事もイメージトレーニングをした上で臨むことを心がけるようになりました。

Work

2018年4月~
阪神電気鉄道(株) 運輸部 神戸駅管区 駅長
神戸駅管区の駅長として、収入管理や労務管理、助役・係員の育成、他社局との折衝など、現場の管理業務全般を行っています。年次や役職を超えて気軽に意見を交わし、困ったときには周囲の人にすぐに相談できるような風通しのよさを大切にしています。そうすることで、お客さまや仲間のことを、それぞれが常に考えられる環境を作っていきたいと考えています。

ジョブローテーションを通じた得たもの

現場部門と本社部門を両方経験していますが、どの仕事も人との関わりが何よりも大切であるということ、そして、自分一人の力だけでは限界があるということを学びました。「自分の思いをぶつけ、同時に相手の考えを誠実に理解しようとする」その積み重ねによって、信頼関係は築かれるということを、特に現場部門での業務から学びました。確かな信頼関係を築くことができて初めて「お客さまのために、仲間のために」という思いを共有でき、大きな力が生まれる。本社部門においてもその思いを胸に業務に取り組むことができると実感しています。

今後の目標

少子化などの影響により沿線人口の減少が見込まれるなど、この先、都市交通事業は順風満帆とは言い切れません。だからこそ、「変革」すべき、「創造」すべき、やりがいのある仕事が数多くあると私は考えています。厳しいときこそ成長のチャンス。私自身も、現場からの視点、本社からの視点をバランスよく養ってきた自らの経験を活かして、さまざまなプロジェクトに関わっていくつもりです。そして、グループの土台である都市交通事業を成長させ、阪急阪神ホールディングスの持続的な発展に貢献していきたいと思っています。

※所属部署、役職は当時の名称です。