“はじまり”を創るグループ初の挑戦 海外不動産事業

大西 隆太

2008年入社
阪急阪神不動産(株)
海外事業部 企画グループ/課長補佐

阪急電鉄(株)入社以来、現在まで一貫して不動産開発に関する仕事に従事。阪急西宮ガーデンズやNU茶屋町プラス、阪急阪神沿線の開発を計画・実施。それらを通じて都市型商業施設における知見を広げ、入社7年目の2014年4月にインドネシア物流倉庫プロジェクトのチームメンバーに登用される。

正木 彌光

2015年入社
阪急阪神不動産(株)
海外事業部 企画グループ

阪神電気鉄道(株)入社後、1年目は国内不動産開発チームで短期回収型不動産開発案件に携わり、土地情報の仕入れや収支計算を担当。2年目に海外不動産開発チームに抜擢され、シンガポールでの物流倉庫開発プロジェクトに参加。3年目の現在も現地法人の会社運営にかかわる業務を継続する。

※2018年4月1日より、現在の所属に名称変更

プロローグ

阪急阪神ホールディングスの経営戦略「長期ビジョン2025」でも強調されているのが海外進出への注力だ。成長著しいASEAN地域をメインに、物流拠点を複数展開するという阪急阪神エクスプレスの戦略。この戦略の物流倉庫開発プロジェクトに阪急阪神の不動産事業本部が参入することで、海外での不動産事業の拡大の礎にしたいという考えだ。

その先駆けとなったのが、大西が開発に携わったインドネシアの物流倉庫開発プロジェクトである。また、同プロジェクトに次いで始まったのがシンガポールでの物流倉庫開発プロジェクトだ。このプロジェクトには正木が加わり、現地法人の会社運営という新たな役割で力を発揮する。ASEANを舞台に活躍する2人の社員の仕事ぶりから見えてくるものとは。

日本のあたり前が通用しない!?
想定外が次々と起こる

大西
中期経営計画の事業戦略の一つ「中長期的な成長に向けた新たなマーケット(首都圏・海外等)の開拓」として、当社グループはインドネシア共和国ジャカルタ近郊の東部工業団地内での大型物流倉庫の建設に着手しました。ASEAN地域内でも成長著しいインドネシアに自社グループ施設として物流拠点を設け、これを機に今後のASEAN地域における不動産事業(例えば商業施設開発やマンション分譲事業)に向けた情報収集や事業機会の探索を強化するのが私たちの狙いの一つです。2014年4月からチームに参加した私はインドネシアの土地売買に関わる各種調査、手続き、売主との協議、およびこれら取引のサポートコンサルタントとの調整を任されました。
しかし、グループ初の海外不動産プロジェクトは一筋縄ではいきません。通常、国内の土地売買ではその土地に関する基本情報は明確で、決められた売買ルールに基づいてスケジュールや予算を組み、交渉や調整を進めていきますが、インドネシアには概念自体がなく、情報が簡単に手に入らないためスケジュールが読みにくい。現地の法規制や手続き、慣習を一から学び、手探りで進めていくしかありませんでした。それともう一つ、円滑な業務遂行を阻んだ大きな原因が物理的な距離の遠さです。時差2時間、大阪―ジャカルタの移動距離約5,500kmという壁がコミュニケーションをより困難なものにしました。

Face to Faceのコミュニケーションが
困難を超えるカギ

大西
どんな困難があったとしても、それを理由にプロジェクトを滞らせるわけにはいきません。疑問が湧いたらその都度、粘り強く確認し、思い込みで物事を進めないのがむしろ近道。電話やメール、テレビ会議でもらちがあかないと判断したら、臆することなくインドネシアに飛ぶ!実際、私は手続きに必要な土地測量が突如発生した際、迷わず現地に向かい、作業着とヘルメット姿で立ち会いました。
このプロジェクトへの参加を通じ、海外の不動産開発における土地取得・建築申請のスキルを会社として習得できたと自負しています。国内外を問わず、物事をうまく進めるためには相手を理解し、尊重することが何より大切。慣習、文化の違う海外ならなおさらです。「多様性を認め、コミュニケーションを密にすることが円滑なプロジェクトマネジメントにつながる。」私はこのプロジェクトで学んだ教訓を次の仕事に活かし、今後も様々な人との関係を築いていきたいと思います。

入社2年目で
海外不動産開発チームの一員に抜擢!

正木
グループ初の海外不動産プロジェクトとして注目されたインドネシアでの物流倉庫開発、それに続く案件が私の携わるシンガポール共和国での物流倉庫開発プロジェクトです。これら2つのプロジェクトを通じてグループの海外展開をより加速させるため、シンガポールプロジェクトでは、阪急電鉄と阪神電気鉄道が共同で設立した現地法人により、当社グループ最大規模となる物流倉庫がシンガポール西部地区に建設されることになりました。私に与えられたミッションはその不動産開発…ではなく、海外現地法人の会社運営にかかわる業務。2017年春の物流倉庫運営開始をにらみ、工事も佳境に入った2016年4月から私はプロジェクトに合流しました。
当時、私が関わる業務のメンバーは阪神電気鉄道・阪急電鉄で構成される総勢5名。現地に赴任して物流倉庫の建築、リーシングなどに携わる2名に加え、日々の会社運営を支える私を含めた3名です。通常こんな少人数で子会社管理を行うことは珍しく、しかも私は当時まだ2年目。国内での不動産開発はおろか、会社運営に必要な経理や監査の知識もほぼゼロだったため、日本との比較を行うこともできませんでした。どこが間違っているのか、誰に聞くべきなのか、進んでいる方向は正しいのか。「誰も経験したことがないからわからない」状況の中で時は過ぎ、決算や法定監査を受けなければいけない時期が刻々と迫っていました。

会社運営を軌道に乗せた今、
次はノウハウの共有を目指す

正木
会社運営そのものの経験がなかったことに加え、日本との商慣習の違いやシングリッシュと言われるシンガポール特有の英語にも悩まされました。学生時代にカナダへの留学も経験し、英語力には相応の自信があったものの、シングリッシュで会計の話をされると、さっぱり分かりません。専門用語を言われても、その日本語の意味さえ分からず途方に暮れることもありました。さて、この状況をどうしようかと考えあぐね、たどり着いたのが徹底的にコミュニケーションを図るという答え。言語が違うなかで互いの理解に齟齬が生まれないよう、わからないことや納得できない部分はしっかりと伝え合うことを心掛け、できる限り現地に足を運んで対面で話を詰めていきました。
そんな努力が実り、現地法人の会社運営を無事軌道に乗せることができました。しかし、私の仕事はこれで終わりではありません。3年目の現在も会社運営を担当していることもあり、今後のスムーズな開発を見据えた組織体制づくりが新たな課題。開発担当者が本来の業務に専念できるよう、日々の入出金やビザの更新、税務など細かい運営業務をバックアップする環境を整えたいと思っています。グループ全体として海外法人および駐在員事務所の管理体制を構築し、本社の管理部門も一体となったノウハウの蓄積、マニュアル化が直近の目標です。

~阪急阪神ホールディングスの海外プロジェクトに懸ける夢~

入社年、経験こそ違う2人だが、携わったのはいずれも阪急阪神共同のプロジェクトであり、会社にとっても初となる海外事業。このことからもわかるように、阪急阪神ホールディングスには若手にチャンスを与える風土があり、グループ全体の成長に影響を及ぼす責任ある事業にも早くから挑戦できる機会がある。さて、そんな仕事を経験した2人は今、どんな思いを胸に、未来へと歩みを進めているのだろう。

「現在、私はASEANでの商業施設開発プロジェクトへの参画に向けて、活動を進めているところ。物件及びパートナーの開拓のためグローバル展開するコンサルタント、銀行、エージェントと連携し、その精査や当社グループのPRに携わっています。このプロジェクトを一日も早く成功へと導き、海外での商業施設開発の第一号を実現するのが目標です。自ら手掛けた商業施設を立ち上げ、新入社員の時、阪急西宮ガーデンズのオープン時に味わったあの感動をもう一度体験したい。そして将来は当社グループが関西の鉄道会社という枠を超えて商業施設開発の代名詞となれるよう、これからも海外での不動産開発を通じて、進出する都市の生活文化スタイルをより良くしていきたいと思っています」と大西は語る。

一方、現在も現地法人の会社運営に携わる正木は、海外プロジェクト抜擢への率直な感想を語ってくれた。

「若いうちから大きな仕事を任せてもらえる会社と聞いていましたが、まさにその通り。当時まだ入社2年目の私を海外プロジェクトという新規事業に抜擢し、戦力と考えていただいたことに驚くとともに、貴重なチャンスを与えてもらったと感謝しています。シンガポールプロジェクトに携わって2年目を迎える今思うのは、海外不動産開発という一大プロジェクトにおける最終的なミッションは、将来にわたって当社が発展し、お客様により良いサービスを提供できるよう新たな収益源を確保することだということ。少子高齢化など沿線や日本国内での成長が限られるなか、これまで以上のサービスを実現するには海外プロジェクトの成功をおいて他に道はないと考えます。今まさに海外不動産開発に携わる私の責務は経験、ノウハウの蓄積であり、将来の海外不動産開発をより取り組みやすくするための堅実な土台を作っていくことだと感じています。」

阪急阪神ホールディングスとしてのグループ総合力を発揮しながら、関西から首都圏、そして海外へとビジネスフィールドが広がる今、不動産事業は新たな一歩を踏み出している。一つひとつ実績を積み重ね、目指すのは誰も見たことがない未来。ここにしかない、計り知れない可能性に向かって彼らは大きく羽ばたいている。