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都心に生まれた、みどりのまち——100年のまちづくりとグラングリーン大阪

JR大阪駅から外に出ると、目の前に広がる緑の丘。芝生に寝転ぶ人、噴水で遊ぶ子どもたち、木陰でコーヒーを楽しむカップル。——都心とは思えないほどゆったりとした時間が流れています。
ここは2024年9月、梅田の真ん中に誕生した「グラングリーン大阪」。約4.5ヘクタールの都市公園「うめきた公園」を中心に、商業施設、オフィス、イノベーション拠点施設、ホテル、レジデンスが一体となった新しいまちです。
このまちづくりは、阪急電鉄を含むJV9社が推進しています。商業施設の運営だけでなく、公園の管理からまち全体のマネジメントまで。その根底にあるのは、阪急阪神ホールディングスグループが100年以上前から大切にしてきた「人々が集い、働き、住み続けたくなるまちをつくる」という考え方です。
梅田100年のまちづくり
当社グループと梅田の歴史は、1910年代にさかのぼります。創業者・小林一三は鉄道事業だけでなく、沿線の住宅地や娯楽施設の開発も手がけ、私鉄ビジネスモデルの基礎をつくりました。1920年代には阪急百貨店が開業し、戦後は新阪急ビルや阪急三番街、阪急グランドビルなど、梅田を中心に開発を続けてきました。2000年代以降もグランフロント大阪や大阪梅田ツインタワーズ・サウスなどの大規模ビルを次々に開発しています。

グランフロント大阪 南館
現在、阪急阪神グループが保有・運営する施設面積は梅田エリアで圧倒的シェアを誇り、大阪・梅田エリアNo.1のデベロッパーとして、魅力と活力に満ちたまちの形成に貢献しています。
「うめきた」の誕生

1985年の梅田空撮写真(出展:国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省)
グラングリーン大阪がある場所は、かつて「梅田貨物駅」でした。20世紀を通じて物流拠点として栄えたものの、高速道路網の発展とともに鉄道物流の需要が変化し、貨物機能は郊外へと移転。JR大阪駅のすぐ北側に、約24ヘクタールの広大な敷地が残されました。
メディアからは「大阪最後の一等地」と呼ばれ、注目が集まります。2011年には一般市民からの公募・投票を経て、地域名称が「うめきた」に決定。この土地をどう活かすか——行政と民間が一体となり、大阪の未来を見据えた議論が重ねられました。

撮影者:Akira Ito.aifoto
こうして打ち出されたのが、「都市公園を核にしたまちづくり」という構想です。約9ヘクタールある敷地のうち、真ん中の約半分にあたる4.5ヘクタールを公園にする——これは、甲子園球場がすっぽり収まるほどの広さです。
この決断の大胆さは、数字にも表れています。隣接するグランフロント大阪南館は、大阪の商業地で最も地価が高い場所(1平方メートルあたり2,430万円、2025年時点)。仮に公園の面積に置き換えれば、公園敷地だけで約1兆円——それほどの価値を持つ土地を、収益施設ではなく、都心に広がる緑の公園にしたのです。
従来の都市開発とは異なるアプローチ
グラングリーン大阪のまちづくりには、従来の再開発とは異なる3つのアプローチがあります。
① ランドスケープファースト——公園のなかにまちをつくる

従来の再開発では、敷地の真ん中にビルを建て、その外構として緑を配置するのがセオリーでした。グラングリーン大阪の開発計画では、その発想を逆転。まず公園の設計を行い、その後からビルの配置を考える——「公園のそばに建物がある」のではなく、「公園のなかにまちがある」という設計思想です。
また、公園と民間施設の物理的な境界は意図的に設けず、公園からビルへ、ビルから公園へと、みどりがシームレスにつながっています。
② パブリックフォーカス——みんなで育てていくまち

うめきた公園には、一般的な公園でよく見かける大型遊具がありません。その代わりにあるのは、広々とした芝生広場と、可動式のテーブル・チェア、貸し出し用のレジャーシートや遊具。
あえて余白を持たせたプランニングにすることで、利用者それぞれの、思い思いの過ごし方を尊重することができます。買い物をしなくても、明確な目的がなくても、誰もが自分の居場所だと思える空間を目指しています。
③ サステナビリティ&ネットポジティブ——茶色いまちから、みどりのまちへ
かつて茶色い貨物ヤードだった土地が、緑あふれるまちへと生まれ変わる——この変化そのものが、グラングリーン大阪の象徴です。

グラングリーン大阪では、国際的な環境性能認証制度「LEED®」の街づくり部門「ND」のプラン認証と、ランドスケープのサステナビリティを主に評価する 「SITES® 」の予備認証においてGOLD評価など、計6つの環境認証を取得しております。また、みどりがもたらす環境価値を具体的に数値化し、可視化する取組も進めています。
※USGBC®および関連ロゴは、US Green Building Council® が所有する商標であり、許可を得て使用しています。
※SITES®および関連ロゴは、Green Business Certification Inc.TMが所有する商標であり、許可を得て使用しています。
都市に自然がある価値——ネイチャー・ベースド・ソリューション

みどりの価値は、環境面だけにとどまりません。自然の中での活動は脳機能を高め、鳥のさえずりや虫の音色はストレスを緩和します。子どもが生き物に触れる機会は、環境教育としても意義があります。
近年、こうした「自然の力を活かして、人間の幸福と生物多様性の恩恵を同時に得る」考え方は、「ネイチャー・ベースド・ソリューション」と呼ばれています。2025年の大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。サステナビリティが問われる時代に、グラングリーン大阪はまさにこの時代のまちづくりを象徴する存在といえます。
これからの100年へ
うめきた公園は大阪市が所有する公園で、運営管理は当社グループ含む複数の民間企業が担っています。その指定管理期間は50年間という異例の長期間。都市公園の指定管理期間は5年を標準ケースとすることが多いなかで、それを大きく上回ります。民間企業が自ら収益を生み出しながら、長期目線で公園とその周辺エリアの価値を高め続けていく——前例のない挑戦です。
2024年9月の先行まちびらきから約半年で1,000万人を超える人々が訪れました。まもなくノースパークに「うめきたの森」が誕生し、滝から池へとつながる水辺の風景が広がります。
次の週末、ふらりとグラングリーン大阪を訪れてみませんか。芝生に腰を下ろして空を見上げれば、高層ビルの間から差し込む光、鳥のさえずり、子どもたちの歓声——きっと新しい大阪の風を感じられるはずです。
